封切り二日目。 席数98の【SCREEN11】の入りは九割ほどと盛況。 原作は『北國浩二』による小説〔嘘〕。それを映画化にあたりタイトルを〔かくしごと〕に変更し、これが本作の方向性を如実に示している。 主要な登場人物は皆ある種の「かくしごと」を抱え、それがストーリーが進むにつれ次第に明らかに。 もっとも、最大の「かくしごと」は物語の初頭に察知できてしまうもの。 ただそれが分かっていても(自分もそうだったのだが)、最後のシーンの感動が損なわれることはない。いや、より高まると言っても過言ではない。 伊那に独りで住む父親『孝蔵(奥田瑛二)』の認知症が進み、童話作家の『千紗子(杏)』は一時的に東京から…