(1960年(昭和35年)12月24日 - ) 日本の作家。PHP総合研究所「次代を考える東京座会」メンバー。関西学院大学非常勤講師。
愛知県名古屋市出身。大阪市立東我孫子中学校、大阪府立天王寺高等学校、東京大学法学部卒業後、富士銀行に入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長、業務企画部長等を経て、2008年(平成20年)6月、みずほ証券退職。本格的に文筆業に入る。2005年(平成17年)、『白洲次郎 占領を背負った男』で山本七平賞を受賞。
北康利『白洲次郎 占領を背負った男』(2005年)について(その2)。 前回記事で、日本国憲法のGHQ草案では国会が一院制とされていた件について、この本は参考文献にも挙げている古関彰一『新憲法の誕生』(1995年)で既に指摘されていた真相(ケーディスは日本政府との取引材料として戦略的にこの条項を入れた)を無視している、という話を書いた。 しかし、改めて調べてみたところ、この件は先行研究の軽視どころの話ではなかった。まず、北はこの件についてこんなふうに書いている。[1] このとき、松本が勇気を振り絞って口を開いた。 「一つ申し上げておきたいが、二院制というのはただなんとなく二つあるというのではな…
いま、ある調べ物をする必要から北康利『白洲次郎 占領を背負った男』という本を読んでいるのだが、一読してみて、この本の内容はまったく信用ならない、という結論になった。 なぜこの本が信用できないかを説明していくと、ある意味、一見もっともらしいが実際には信用に値しない歴史関連本の見分け方の解説にもなると思うので、ちょっと書いてみることにする。 参考文献の恣意的利用 この本の中に、こういう記述がある。日本国憲法のGHQ草案では国会が一院制とされていたことに関する話である。[1] このとき、松本が勇気を振り絞って口を開いた。 「一つ申し上げておきたいが、二院制というのはただなんとなく二つあるというのでは…