月村了衛『対決』光文社を読了。 日邦新聞社会部記者の檜葉菊乃は、統和医大の裏口入学の取材中に、入試の際に女子の点数を一律減点して女子を合格させないようにしているという情報を手に入れる。さらに取材を進めると、医療関係者のほとんどがその事実を知っていたということも判明する。ある男性医師は、逼迫した医療の現場で必要としているのは体力のある男性で、結婚、出産を控えた女性医師を育てる余力は現場にはない、差別はよくないが現場としてはやむを得ないことであるとすら話す。反論しがたい現実があることは間違いがない。だが、明らかな女性差別である。とんでもないスクープに檜葉は身震いするが、なんら証拠がない。なんとして…