月村 了衛[つきむら・りょうえ] 作家。1963年生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。在学中、清水邦夫、高橋玄洋に脚本・演劇を学ぶ。 卒業後予備校教師として現国・古文・漢文の教鞭を執る。 1988年脚本家としてデビュー。2010年早川書房「機龍警察」で小説家デビュー。 主な作品に、 「機忍兵零牙」(早川書房) 「機龍警察 自爆条項」(早川書房)
月村了衛 公式ブログ http://d.hatena.ne.jp/ryoue/
中世より千年の都・京都の中心部にあり、伝統仏教最大宗派の一つである包括宗教法人『錦応山燈念寺派』。燈念寺派の中枢組織である宗務総合庁がこの小説の舞台。著者はここに燈念寺派という宗派をフィクションとして設定した。その中枢組織に属する幹部僧侶たちが、現世利益の欲得、己の私利私欲に捉われ、権力に執着し、確執と駆け引きを繰り広げる。衆生救済とはかけ離れた、僧侶間での権謀術数の様相、宗派の内側の現世世界をテーマに取り上げている。実に興味深い。 本書は、「小説新潮」(2023年4月号~2024年1月号) に連載された後、加筆・修正され、単行本が 2024年10月 に刊行された。 この小説は、二部構成。 第…
おぼろ迷宮 (角川書店単行本) 作者:月村 了衛 KADOKAWA Amazon あらすじ いつやりたかった夏芽のゼミ教授榊先生と夏芽、鳴滝老人そして剛田刑事との会食 榊先生が選んだ店は繁華街よりちょと外れた静かな場所にある四川料理店 事件も解決したので和気藹々と料理を食べながらの歓談であった 剛田刑事は榊先生と懇意になりたがったようだが、周囲の人達はこれを避けるように話していた 食べ終わり店を出ようとしていたところ朧荘の管理人鴨志田昭彦とバッタリ出会う 鴨志田は近いうちに重大な話を持って来るという 後日鴨志田は朧荘を訪れ、ここを解体してマンションを新築するという 数十年経過したおんぼろアパー…
おぼろ迷宮 (角川書店単行本) 作者:月村 了衛 KADOKAWA Amazon あらすじ 本朧町のアパートで55歳柳井秀子の孤独死が見つかった 事件性はなく脳溢血による死亡と診断された 状況調査のため警察官が向かったがその中の1人がひとつ前の「次なる事件」でボディガードとして登場した剛田鋼太郎だった 見た目は巨漢で、ヤクザにも恐れられそうな風袋をしている その剛田が「大井沼警察署現金盗難事件発生報告書」と「C県大井沼警察署平成一三年度出納簿」を発見し多いに驚いた 剛田はソーカンの住むアパート訪ねこれを見てもらった ソーカンとは鳴海老人 鳴海老人は元警視総監だったのだ どうして柳井秀子の自宅ア…
おぼろ迷宮 (角川書店単行本) 作者:月村 了衛 KADOKAWA Amazon あらすじ 玉井花代は毎月息子を名乗る人物に振込送金している 近所の奥様方は息子さんは数年前海外で事故死しているとニュースに出たのを知っていた ただし土砂崩れで遺体は見つかっていない 本当は生きているのかみんなで不思議がっていた この情報を聞きつけた夏美は真相を知りたかった アパートの隣室の鳴滝老人に相談し、近所の知り合いを仲介に、玉井さんが詐欺にあっていないのか確認することにした 夏芽と鳴滝、鳴滝の知り合いの用心棒代わりの男、そして仲介した玉井の近所の知り合いと玉井家に向かった 大勢だと真相を話しにくいと思い、途…
おぼろ迷宮 (角川書店単行本) 作者:月村 了衛 KADOKAWA Amazon あらすじ 夏芽は大学2年生 仕送りが少ないことからできるだけ安いアパートに住んでいる ある日、時間に間に合うかギリギリのところでバイト先の和菓子店に着いた ところが店長は雛本さんではなく別人になっていた その人に「アルバイトの夏芽です」と言ったが、そんな人は知らぬ 店を手伝ってくれる人はちゃんといると言われ、全く何が何だか分からない その日はそのままアパートに戻って試験の勉強をすることにしたが不思議なできごとを思い出し勉強が手につかない 翌日もアルバイト先に行ったら本来の店長がいた 店長は「昨日はどうした、忙しい…
おぼろ迷宮 (角川書店単行本) 作者:月村 了衛 KADOKAWA Amazon あらすじ 女子大生夏芽と謎多き老人鳴滝が街の難事件を鮮やかに解決する! おんぼろアパート『朧荘』に住む女子大生夏芽は、まるで異次元に迷い込んだかのような不可解な出来事に遭遇する。〈謎〉を解決するのは、隣に住む正体不明の老人、鳴滝。尋常ならざる人脈と驚異の推理力を駆使する彼は一体何者なのか。街にはびこる不可思議な事件の謎を、凸凹コンビがスイーツを食べつつ華麗に解決! お知らせ 本書は4話の短編が入っている 今回も「あらすじ」は出版社では各編ごとには書いていないので僕が書く さて凸凹コンピがいかに難題を解決するのか …
地上の楽園 作者:月村了衛 中央公論新社 Amazon あらすじ 差別も貧困も、なくならないのか?今なお続く「在留外国人問題」に切り込む、慟哭必至の社会派巨編 在日朝鮮人帰還事業――1959年に始まったそれは、人類史上最悪の「大量殺戮」への序章だった。二人の若者がそれぞれ経験した「地獄」を描き、現代に通ずる差別の源流と、政治家・マスコミらが犯した大罪に迫る。 なんやおまえ、チョーセンやないけ――。1959年大阪。在日朝鮮人への差別がはびこる街で、復興を遂げ平等を実現し「地上の楽園」と称される北朝鮮への「帰国運動」が過熱していた。学問の道を志す高校生の孔仁学は、ヤクザの抗争に巻きこまれ窮地に立つ…
月村了衛『暗鬼夜行』毎日文庫を読了。 学校代表に選ばれた読書感想文が盗作であるという告発がSNSに投稿された。作文指導をしていた国語教師の汐野は、盗作であるはずがないと確信しながらも、校長からの指示で問題収拾に奔走することになる。だが、事態はどんどん拡大していき、ついには学校統廃合をめぐる住民の対立にまで発展していってしまう。 たかだか読書感想文の盗作問題が、どうして学校統廃合をめぐる対立やら、政治的な駆け引きに発展するのか、いまいち納得できなかった。そこのところがひっかかってしまったせいで、いまいちのれなかった。どうしても「たかだか読書感想文じゃん」と思ってしまうのだ。教育現場で疲弊していく…
月村了衛著 「機龍警察 未亡旅団」 (ハヤカワ文庫JA) を読んだ。 これまで紹介した「機龍警察〔完全版〕」「機龍警察 自爆条項〔完全版〕」「機龍警察 暗黒市場」⬇️ に続く機龍警察シリーズ第4作であり、2014年1月発刊。 ✒️✒️✒️ これまでの3作は、二足歩行型軍用有人兵器「龍機兵」のパイロット3人が順番に主人公となってきたわけだが、本作では彼らが属する警視庁特捜部の警察官と女性テロリストがメインとなっている。 ✒️✒️✒️ 本作もミステリー要素が強いので、あまり内容は書けないが、冒頭部分だけ紹介しよう。 物語は、神奈川県相模原市の住宅街での目を覆うような事件から始まる。それはチェチェン…
月村了衛著 「機龍警察 暗黒市場」上・下 (ハヤカワ文庫JA) を読んだ。 以前紹介した「機龍警察〔完全版〕」「機龍警察 自爆条項〔完全版〕」⬇️ に続く機龍警察シリーズ第3作であり、2013年に第34回 吉川英治文学新人賞を受賞している。 savasurvival.hatenadiary.com ✒️✒️✒️ 本作はこれまでの中で最もミステリー要素が強いので、内容についてはあまり書けないのが残念だが、少しだけ全体的な雰囲気に触れておく。 これまでこのシリーズでは、3人いる「龍機兵」(ドラグーン)の搭乗要員が主人公になっている。 第1作では姿俊之、第2作ではライザ・ラードナー、そして最後に残っ…