月村 了衛[つきむら・りょうえ] 作家。1963年生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。在学中、清水邦夫、高橋玄洋に脚本・演劇を学ぶ。 卒業後予備校教師として現国・古文・漢文の教鞭を執る。 1988年脚本家としてデビュー。2010年早川書房「機龍警察」で小説家デビュー。 主な作品に、 「機忍兵零牙」(早川書房) 「機龍警察 自爆条項」(早川書房)
月村了衛 公式ブログ http://d.hatena.ne.jp/ryoue/
『虚の伽藍』 月村了衛著の紹介です。 ニッポン放送あなたとハッピー!2024年10月24日放送 新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナー紹介した本と、お話をざっくりまとめて載せていきます。 番組はこちら!radikoでも聴けますよ!毎回、話題の本が登場!さぁ、今週はどんな本と出合えるでしょうか?早速見て行きましょう。 放送内容 月村了衛プロフィール 感想 虚の伽藍 放送内容 以下、番組内の話の要点になる部分を簡潔に載せています。 ・舞台は京都、主役は坊主。坊主版「アウトレイジ」と言いたいぐらいめちゃめちゃ面白い。 ・バブル前夜から始まる。出世を目指す若き僧侶。実家の小さなお寺の存続のために大き…
月村了衛『半暮刻』双葉社を読了。 すごい小説を読んでしまった。圧倒されて、ページをめくる手をとめることができなかった。 前半は、翔太と海斗というふたりの若者が、「カタラ」という組織のメンバーとなり、言葉巧みに女性を騙し、借金まみれにして風俗に送り込む物語が描かれていく。読んでいてげんなりするような物語が、あたかも青春小説であるかのようにあっけらかんと進行していく。やがて「カタラ」は摘発され、親もなく施設で育った引き取り手のいない翔太は有罪となって刑務所に入り、裕福な家の息子である海斗は執行猶予がつき放免される。 刑を終え前科者となった翔太は、行き先を失いヤクザとなる。そこで、デリヘル嬢の送迎を…
月村了衛先生の東京輪舞。 私は90年代のアニメーションが好きだったのですが、 そのころ好きだった作品のスタッフクレジットには必ず月村先生のお名前がありました。 年月がかなり経ってもOPやEDクレジットはたいてい覚えていますので何年も前に書店やAmazonでお名前を見つけた際はすぐにわかりました。 以前仕事でExport Control(検索でヒットしないようぼかします)を担当していたことがあるので東芝COCOMを扱ったこちらの小説はずっと気になっていました。 COCOM事件はメーカーでこの業務を行うのであれば必ず勉強することになる事例です。 電子書籍版があったので迷わず購入しました。 昭和から…
月村了衛さんの小説シリーズ「機龍警察」を全巻読破しました。 月村了衛さんの名前は、以前から知ってましたが、読んだことはありませんでした。 5月は、自由な時間がつくれるように予定を組んでましたから、小説を読むことに時間が使えた。(そのなかで大鹿村行きがありました。) 月村了衛さんの小説なら、なんでもよいから1冊手に取って読んでみよう、と決めて、はじめに選んだのが「土漠の花」。これが面白かった。遭難したヘリの救助活動に出かけた自衛隊員が、ソマリアの民兵に襲撃されて、戦いながら逃走する。それだけの単純なストーリーだけれど、リアルな描写が続いて一気読み。 その勢いで、「機龍警察」シリーズを試しに読んで…
内容(amazonより引用) 元ロシア警官のユーリ・オズノフ警部は、警視庁特捜部との契約を解除され武器密売に手を染めた。そんな中特捜部は、近々ロシアマフィアによる有人搭乗兵器の見本市が行われることを察知するが……。 機龍警察 暗黒市場 上 機龍警察〔文庫版〕 (ハヤカワ文庫JA) 作者:月村 了衛 早川書房 Amazon 機龍警察 暗黒市場 下 (ハヤカワ文庫JA) 作者:月村 了衛 早川書房 Amazon 感想(ネタバレなし) シリーズ3作目にして脂が乗りに乗っている。前々作の姿、前作のライザに続き、ユーリの過去にスポットが当たるが、これがまた壮絶。警察としての誇りと国の腐敗。巨大な権力によ…
月村了衛氏の十三夜の焔を読んだ。天明から天保へかけて50年以上の時間スケールで活写する時代小説。天保四(1784)年五月の十三夜の夜に幣原喬十郎は匕首を手にした男と側に倒れる男女を見た。倒れている男女は血に塗れていて、見るからに殺されたと思われた。そして、その男は両眼から涙を流して泣いていた。喬十郎は男を取り押さえようとしたが、身の軽い男は用水桶から町屋の軒に飛び上がり、暗がりの中に溶け込んでいった。それが喬十郎と盗人千吉の出会いであり、そこから50年以上の物語が続いていく。幣原喬十郎は先手弓組に属しており、本来の務めの傍ら取り逃がした男を探査することになる。第一話の「十三夜の邂逅」では逃げた…
前回の記事でセミとウグイスの鳴き声で朝を迎える…などと悠長に話していたのも束の間、最近ではセミ100%のあまりのうるささに叩き起こされ、窓を開けて寝てしまった今朝にいたっては、頭上の網戸にへばりついたその張り切りすぎの声のおかげで、ライブハウスを出た直後みたいな耳の状態で目覚めた私ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。 世の中の子供たちは夏休みに突入しましたが、大人になってからも “夏休みの宿題“ についての話題で盛り上がることって時々ありますよね。 中でもその取り組み方については面白いくらいに人それぞれで、うまく調整しながら毎日コツコツ型が理想だとしたら、8月31日に泣きながら家族総出で…
ミステリ好きというのは基本的にフィクションとしての犯罪を楽しむ人が多いようで、いわゆる犯罪実話のようなものは人気がないらしい。例外的に「切り裂きジャック」ネタについては小説・映画を問わず擦り切れそうなレベルで「こすられている」が、それ以外だとあんまり思いつかない。日本では三億円事件とかグリコ・森永事件くらいだろうか。ちなみにそういった犯罪実話が好きな方には、NHKスペシャルの「未解決事件」シリーズがおすすめである。 www.nhk.or.jp 筆者はそういったネタが大好きなクチである。一つの事件の背景にある様々な人間臭い思惑や犯人を追う警察の執念など、追うものであれ追われるものであれ「人間」と…
初めて読んだ月村了衛さんの作品は『土漠の花』でした。 手に汗握る展開、映画のラストシーンのような鮮やかな最終章。 読むのが楽しい一冊でした あれからだいぶ年月が経ちましたが、先日『脱北航路』を読んで、やはり月村了衛さんの息をも吐かせぬ展開、楽しいな、と感じました。 潜水艦とうことで、海面下の息詰まる攻防戦、読まされました。 たまたま図書館で『ガンルージュ』に出会ったので読んでみました。 ⚠️ネタバレありますご注意ください 第二の金大中事件が群馬県の山中の別荘で起きます。 韓国の大物政治家が別荘に潜伏していたが、政敵に連れ出される際、たまたま通りがかった中学生の祐太朗と麻衣も巻き添えで同行するは…
『土漠の花』 から6年半振りに月村了衛さんの著書を読みました。 またしても、壮大なスケールとラスト熱いものがこみ上げるドラマ。 一気読み! 久しぶりに読了後、天井見上げて泣きました。 Amazon ★4.2 (★5 49%) 明朝体で脱、北、航、路の4文字とハングルでタップクハンロ。 赤と緑が二分する表紙がシンプル。 読後にググってみたら、北朝鮮の潜水艦、上部が緑、下3分の2が赤なんですね。 表紙絵は、北朝鮮の潜水艦の一部だったのか…。 老潜水艦、という設定ですので、塗料も一部剥がれているように描かれています。 硬くてヘビーな内容で、305ページ、読むのに時間がかかるかな、と思いきや、なんの!…
本の感想「虚の伽藍」月村了衛(新潮社)2024_10 昭和の終わりから平成前半ぐらいまでの京都の仏教寺院と闇社会との繋がりを描く。若い僧侶と裏社会の大物とが接点を持ったことから物語が動き出していく。この僧侶が裏社会からの支援を受けながら地位を高めていくのだが、仏教界とヤクザ組織のみならず行政官や警察との裏の繋がり絡んできて、いわば何でもありの金儲けや権力闘争が繰り広げられる。裏金、殺し、脅迫、裏切りなどがこれでもかというほどに展開する。その中でも主人公の僧侶は「仏の御心に沿う」と語り表向きは宗教者としての献身を装う。宗教組織も規模が大きくなれば活動資金も増えるわけだからヤクザ組織がそれを狙って…
文庫の新刊案内! 今月発売の文庫本&注目本をまとめました。 このページについて 2024年12月発売の文庫本 勝手にセレクト!今月の注目本 このページについて ここでは文庫化された小説やエッセイなどをピックアップして掲載しています。読み逃した本、文庫されるまで待っていた本と出合えることを目指します。※詳細はリンク先のAmazonで。 2024年12月発売の文庫本 ■林真理子 李王家の縁談 (文春文庫) ■葉室麟 草雲雀 (文春文庫 は 36-19) ■伊坂幸太郎 ペッパーズ・ゴースト (朝日文庫) ■知念実希 呪いのシンプトム 天久鷹央の推理カルテ (実業之日本社文庫) ■石田祥 にゃんずトラ…
東京MXTVの5時に夢中!で紹介された本や映画を掲載しています。 東京MXTVの5時に夢中!で紹介された本や映画を紹介します。新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナーで、月に1度、3本ほど紹介しています以下は、おおまかなあらすじと、中瀬親方が話していたことを簡潔にまとめたものを掲載しています。親方はどんな本を紹介してくれるでしょう。早速見て行きましょう! 漫画:ぼっち死の館:齋藤なずな 【大関】映画:山逢いのホテルで 【横綱】小説:虚の伽藍:月村了衛 後記 漫画:ぼっち死の館:齋藤なずな ぼっち死の館(1) (ビッグコミックススペシャル) 作者:齋藤なずな 小学館 Amazon 注目ポイント➡…
『ミステリマガジン』2025年1月号No.768【ミステリが読みたい! 2025年版】 季刊化第一号。 大矢博子氏がアンケートで、「この手のランキングが数人の突出した作家で毎年似た顔ぶれになるのはつまらないなという理由から、ホロヴィッツとクレイヴンは「実際の面白かった度」からやや下げた順位にしてみた」と書いていましたが、今年の海外ベスト3はまさにその言葉通り、ホロヴィッツ、キング、ローレンス・ブロックという何の面白味もない結果でした。 アンケートのなかでは、やはり山崎まどか氏のコメントがダントツで面白い。ミステリプロパーでは選べないラインナップなうえに、「「魔女」と呼ばれる人物が殺されるところ…
毎週日曜日は、この一週間に週刊誌や新聞などの書評やブックレビューに取り上げられた本を紹介しています。書評内容については各誌・HPなどをご覧ください。 今週の書評本 (11/18~11/24 全94冊) *表示凡例◆掲載された媒体: 発行号数 掲載冊数書籍タイトル 著者.編者 出版社 税込価格 書評掲載回数(②回以上を表示) ◆サンデー毎日「遠回りの読書」: 12/1 号 2 冊ビールは泡ごとググッと飲め 爽快苦味の63編 早川茉莉 筑摩書房 2,090つい昨日のできごと 父の昭和スケッチブック 小手鞠るい 平凡社 1,980 ③ ◆週刊女性「おすすめ週女書店」: 12/3 号 3 冊青姫 朝井…
欺す衆生(新潮文庫) 作者:月村了衛 新潮社 Amazon なんでこうなったんだろう―― 考えるまでもなかった。横田商事が悪辣な詐欺商法を働いていると知りながら、30万円の固定給と10パーセントの歩合に惹かれて入社してしまった自分が悪いのだ。 5カ月前、隠岐は新聞に挟まれていた社員募集の折り込み広告を見て応募することを決意した。妻子と借金を抱えた身には、他に選択肢はないように思えたからだ。 セールスマンとして採用され、厳しい研修の末に、あこぎとしか言いようのない勧誘方法のあれこれを身につけた。そして指示された老人や主婦の元へ向かい、他のセールスマン達と同様に、教えられた通りの方法で次々と契約を…
第31回〜の山本周五郎賞の受賞作・候補作の一覧です。 目次 第31回(2018年) 第32回(2019年) 第33回(2020年) 第34回(2021年) 第35回(2022年) 第36回(2023年) 第37回(2024年) 第31回(2018年) 受賞:『ゲームの王国』 小川哲 著 ゲームの王国 上 (ハヤカワ文庫JA) 作者:小川 哲 早川書房 Amazon 《候補作》 『ライオン・ブルー』 呉勝浩 著 『パーマネント神喜劇』 万城目学 著 『機龍警察 狼眼殺手』 月村了衛 著 『そして、バトンは渡された』 瀬尾まいこ 著 第32回(2019年) 受賞:『平場の月』 朝倉かすみ 著 平場…
文庫の新刊案内! 今月発売の文庫本&注目本をまとめました。 このページについて 2024年11月発売の文庫本 勝手にセレクト!今月の注目本 このページについて ここでは文庫化された小説やエッセイなどをピックアップして掲載しています。読み逃した本、文庫されるまで待っていた本と出合えることを目指します。※詳細はリンク先のAmazonで。 2024年11月発売の文庫本 ■池澤夏樹 ぜんぶ本の話【毎日文庫】 ■ 米澤穂信 米澤屋書店 (文春文庫) ■一穂ミチ 有栖川有栖に捧げる七つの謎 (文春文庫) ■上橋菜穂子 香君3 遥かな道 (文春文庫) ■夏川草介 命の砦 ■森見登美彦 恋文の技術 新版 (ポ…
【10/15〆切】2025オールタイム・ベストSFアンケート実施中!|Hayakawa Books & Magazines(β) ハヤカワがこんなことをやっていると偶々知って、やってみることにした。 ◆項目 以下の6項目を対象とする。 1、国内長篇ベスト5 2、国内短篇ベスト5 3、国内作家ベスト5 4、海外長篇ベスト5 5、海外短篇ベスト5 6、海外作家ベスト5 とりあえず、自分のブログのSFカテゴリ記事を順に眺めながら、「とりあえず、これかなあ」というのをピックアップして、第一次候補作を選び、そこからさらにベスト5を選んだ。第一次候補作を選ぶのは楽だったが、5つに絞り込むのはちょっと悩んだ…
対決作者:月村 了衛光文社Amazon ある医大が入試の採点過程で女子の点数を意図的に下げている――衝撃的な「噂」を耳にした新聞記者の檜葉菊乃は独自の調査を始め、理事の神林晴海に目をつける。巧みに追及を躱す神林だが、突破口はそこしかないと考え、檜葉は何度も攻め立てる。男性優位の社会で、共に無数の理不尽に直面してきた二人。それでも敵対せざるをえない彼女たちの闘いの行方は……。話題作、問題作を絶えず放つ著者が挑む、社会にはびこる差別の根源。 医大の入試における女子差別問題を扱った小説。女性差別を扱った小説なのに、地の文で主人公の女性、サブ主人公の女性とも「名前」で書かれている。これはなぜなのか。そ…
十月十七日、発売。新潮社刊。 『虚の伽藍』 月村了衛 | 新潮社 (shinchosha.co.jp) 宣伝の一助になればと思い、いろいろバチ当たりなことをここに書き連ねていたのですが、 本書の内容を誤解されては逆効果かと思い、消去しました。 読書の秋に、真正の地獄を御堪能下さい。 人間の業の世界です。 特に『欺す衆生』をお楽しみ頂いた方は是非どうぞ。
『ミステリマガジン』2024年11月号No.767【世界のジョン・ディクスン・カー】 不可能犯罪特集。「世界の」の名に偽りなく、本家カーをはじめ、スウェーデン、フランス、中国の作品が掲載されていました。しかし編集者(I)による解説がむりやり褒めている感じで興醒めです。今までこんな感じではなかったと思うのですが。「運命の銃弾」ジョン・ディクスン・カー/加賀山卓朗(The Marked Bullet,John Dickson Carr,1923)☆☆☆☆☆ ――ブランドン館に滞在中のハンドレスが眠れずにいると、足音と銃声が聞こえた。館の主人の姪ジュリア・マンスフィールドが真ざめた顔で、「書斎で………
前回の記事「アクションゲームが苦手でもAC6なら楽しめる5つの理由」でハイスピードメカアクションゲーム「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」(AC6)は私のようにアクションゲームが苦手でも大いに楽しめることを示した。 しかし、インターネット上の攻略情報の多くは、平均的なレベルのプレイヤー向けに書かれているため、少々合わないなと感じることがあった。そこで、自分と同じくらいアクションゲームが苦手な人に向けた攻略アドバイスを書き記す。ぜひ参考にしてもらいたい。 基本方針 「呼吸」「姿勢」「リラックス」「動き続ける」 トレーニング・アリーナは出現したらすぐにやる パーツシ…