江戸時代、春の「雛祭り」の前の 2月末から3月2日まで 「雛市」(ひないち)が立って、 大変な賑わいを見せていました。 「雛人形」は最初は「京製」が主でしたが、 明和年間には、「江戸製」が出現します。 そうすると江戸市内には、 雛人形や調度品などを売る「雛市」が 立つようになりました。 喜多川守貞(きたがわもりさだ)の 『守貞漫稿』(もりさだまんこう)には、 「平日他業の家をも、雛商人これを借り、 また中店(なかだな)と号して、 大路の中央に往来を残し、 両側ともに仮店を列す」と、 往時の雛市の隆盛振りが記されています。 こういった「雛市」は、尾張町(現・京橋)、 浅草、池之端、麹町、駒込など…