1972年5月13日――大阪・ミナミの惨劇 1972年5月13日午後10時27分。大阪・ミナミの繁華街にある「千日デパートビル」から火の手が上がりました。ゴールデンウィーク明けの土曜日、ビル内のキャバレー「プレイタウン」は満席に近く、多くの客と従業員が夜のひとときを楽しんでいました。しかし、次の瞬間、楽しい時間は恐怖へと変わります。 「どこかで焦げ臭い匂いがした。誰かが『火事や!』と叫ぶ声が聞こえた。その瞬間、煙がものすごい勢いで流れ込んできた。」 火元は3階の倉庫でした。ストーブの不始末が原因とされ、紙や布が積まれていたため、火の回りは異常なほど早く、瞬く間に天井を伝って上階へ広がりました。…