卒業式の直前、教頭は生徒の作文を読んで驚いた。「津波が起きて『良かった』と思えるようになりたい」とある女子生徒は書いていた。 大切な人や家も失い、悲しくて、苦しくて、今はどうにもならないけれど、それをいつか「良かった」と思えるぐらい、自分は大きくなりたい――。 教頭は、「大丈夫だ」と自分に言い聞かせた。「この不条理を乗り越えていく力を、たぶんもう、この子たちは持っている」(三浦英之『南三陸日記』朝日新聞出版、2012) おはようございます。読みたかった本を読むとか、会いたかった人に会うとか、ネットカフェ初体験とか、そういった特別なことは何もしないまま三が日が終わってしまいました。家族とまったり…