山口裕之『ひとは生命をどのように理解してきたか』(24) 今回は、第3章 二つの遺伝子 第2節 分子生物学における遺伝子概念の展開 の続き(p.126~)である。 遺伝暗号を担う非周期的結晶 「遺伝暗号を担う非周期的結晶」とはどのようなアイデアであったか? 山口は、シュレーディンガーの言葉を引用して説明しているが、ここでは「要約」のみ見ておこう。 染色体*1の中には、共有結合*2で構成された頑丈な分子が何種類かあり、それらが順次つながって繊維状の巨大分子を形成している。構成要素となる分子の一つ一つはモールス信号の記号のようなもので、それらがつながってできた巨大分子は生物の設計図を表現する暗号文…