学習書の一種と思ったら、小説だった。著者は、ハワイ大教授の吉原真理さん。半自伝的私小説となっている。「ふぞろいな林檎たち」のもじりのようなタイトルだが、「英語」「言語」に関わる小説だ。ある程度は「真実」と考えられるので、自分をさらけ出した一冊とも言える。ちなみに吉原さんの専門は、アメリカ文化史、アメリカ=アジア関係史、ジェンダーとのこと。 不機嫌な英語たち 作者:吉原真里 晶文社 Amazon 主人公は「吉原真理」として描かれている。ニューヨーク生まれだが、日本で日本語を習得して、また米国に渡っている。父親の仕事がらみのようだ。生まれのせいなのか、小学生ながら英語の素養を感じさせる描写もある。…