文筆家。1972年生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒業。国書刊行会、ヤフーを経て、フリーランス。「哲学の劇場」主宰。id:clinamen
文筆家。1972年3月14日生まれ。 慶應義塾大学総合政策学部卒業。 国書刊行会、ヤフーを経て、フリーランス。 関心領域は哲学、犬猫鳥、卓球、単車、映画、ロックなど。 ※「哲学の劇場」では「吉田浩」の筆名も使用
前回の続きだが、槇野沙央理さんが気になった。複数の大学で講師として教鞭を執っている方で、専門はウィトゲンシュタインとカヴェル、フェミニズム哲学。正直、カヴェルという人物は知らなかった。検索すると、スタンリー・カヴェルなる人物がいるのでこの人なのだろう。 槇野さんは高校の時に不登校で通信制高校に移ったそうだ。背伸びしたと語っていたが、ウィトゲンシュタインとフーコーに興味を持った。しかし、フーコーの本は高い。バイトで稼いだお金で買える、岩波文庫のウィトゲンシュタイン「論理哲学論考」と、ウィトゲンシュタイン関連の新書を買ったそうである。若い時は「背伸び」も大事なので親近感が湧く。しかも「論理哲学論考…
山本貴光さんと吉川浩満さんによる「人文的、あまりに人文的な」同人版で、Kindle Unlimited で読めるのは、現時点では5回目まで。先に書いてしまうと「哲劇のあいうえお」がな行まで進んでいて、残りが気になってしょうがない。YouTubeで見ろということだろうか。動画を見る習慣ってほぼないのだ。そのような習慣はできれば活字に使いたいが、渇望が強くなったら自然に見るだろう。 今回の特集は「新しい哲学史」。山口尚さん、小村優太さん、槇野沙央理さんとのインタビューが掲載されている。哲学の深いところを説明できる自信はないが、それぞれの分野については興味を持った。機会があれば、それぞれの本を読んで…
山本貴光さんと吉川浩満さんによる「人文的、あまりに人文的 同人版」のアンケート特集の、今回のお題は「哲学の殺し文句」。 これまでにお読みになった哲学にまつわる文章のうち、とくに強い印象(納得、共感、衝撃、脱力、反発、困惑、等々なんでも)を受けたフレーズやあるいは一節を、その理由とあわせて教えてください。 アンケート特集は3回目。これまでも完全に理解したとは言えないが、最初と最後の哲学書と比べると難しい。文句(フレーズ)となると、解題というか、選んだ理由が必要だからだろうか、正直よくわからない部分があった。全体的には、永井均さんの本からの引用が複数あった。「エチカ」「パンセ」とかの古典と言えそう…
Kindle Unlimited で読めるだけ読んでしまおうと思っている。山本貴光さんと吉川浩満さんによる「人文的、あまりに人文的 同人版」。#003のアンケートは「最後の哲学書」だ。 「残りの人生、もし一冊しか哲学書を読めないとしたら、それはなんですか?よければその本を選んだ理由も教えてください」 *狭義の哲学書でなくとも構いません。 よく無人島に持っていく一冊とか、音楽のアルバム(最近は、プレイリストかな?)など聞いてくる企画はあるが、なかなか難しいお題である。むしろ「哲学」に絞っているだけ楽な部分があるかもしれないが、「小説」とか「詩」とかに絞っても頭を悩ませるはず。反射的に森鷗外の歴史…
Kindle Unlimited は借りる分には limit があるので、「人文的、あまり人文的 同人版#002」の内容の整理をしておいて、次を借りることにする。19タイトルくらいあたりまで登録可能のようだが、いかんせん読みかけが多くて、いつも「空き」が1、2冊分しかないのだ。情けない。 今回の特集は、アンケート特集「はじめての哲学書」。#003の特集が「最後の哲学書」になっているので、これは対になっているとみるべきだろう。同じアンケートだったかもしれない。「はじめて」は入門書的な哲学書だろうとの想像はつくが、「最後」とは死ぬ間際に手元に置いておきたいとか、ここまでたどりついたら一定のゴールと…
山本貴光さんと吉川浩満さんによる「人文的、あまりに人文的 同人版」の#001から#005までが、Kindle Unlimited で読めると知って、さっそく最初の001を読んだ。これとは別に、というよりもこちらが本家なのかもしれないが、本の雑誌社から「人文的、あまりに人文的」が2021年に出ている。こちらは完全にノーマークだったし、「同人版」というのは動画配信している「哲学の劇場」を活字化したものらしい。 山本貴光さんは文筆家・ゲーム作家。吉川浩満さんは編集者であり、文筆家。対談というよりは掛け合いに近いような気がしているが、その分非常に取っつきやすい。思ったより、分量が少なくて(紙じゃないか…
本を読むのは好きだけれども、読書会には参加したことがない。興味がないわけではないけれども、「この読書会に参加したい!」と思ったことがないのだ。いろんなところで読書会は開催されているけれども、そして興味がないわけでもないけれども、わたしを参加させるにいたらせる「この」に、残念ながら縁が今までなかったのだ。だから、どういう雰囲気でやっているものなのか、よくわからないのだ。どんなことが話されているのかも。ギスギスしているのだろうか? まったりしているのだろうか? 内容に細かい注釈をつけていくのだろうか、それとも本から受け取った印象を漠然と語っていくのだろうか。大学時代にやった、哲学のテクストを教授と…
「人間と大腸菌、どちらが進化した生き物だと思う?」 大学の頃、留学生の友人にこんなことを尋ねられた。当時の私は相手がそう答えさせようとしているのだなと勘繰りながらも、「人間」と答えた。私はてっきり「残念、大腸菌です」という答えが返ってくるのだと思っていた。大腸菌の能力を引き合いに出し、人間より勝っている云々という話が続くのではないかと邪推したのだ。しかしそうではなかった。 「残念、人間も大腸菌も同程度に進化しています。何故ならどちらも環境に適応して生き延びているからです」 成程、確かに言う通りかもしれない。生存戦略として人間は知能を発達させたが、大腸菌は繁殖能力を手に入れたのだ。その進化の差を…