鬼平犯科帳シリーズもとうとう最後となりました。 前作で密偵おまさと盗賊荒神のお夏との関りを描きその続きに期待を抱かせたのですが、その話が佳境となったところで著者の池波さんが死去。 その特別長編も未完のまま、おまささんも拉致監禁されたままで終了となりました。 本巻はその特別長編の前に単作が2編、そして長編誘拐の第3話までが収められています。 「女密偵女賊」密偵おまさは渋谷の盗みの口合い人佐沼の久七のところに連絡に赴きますが、そこで押切の勘太郎が顔を見せたことを聞きます。 さらにその帰りに近くの茶店で昔馴染みの女盗賊お糸と出会います。 お糸は盗みの仕事が一段落したのですが、男と待ち合わせているよう…