中島京子『長いお別れ』 今日はクリスマスイブですが、関係ない読書の話題。最近読んだ本2冊の感想を描きます。 1冊目は中島京子の『長いお別れ』。中島京子の作品は、去年『小さいおうち』を初めて読んで以来なので2冊目。ブックオフでなんとなく買った。題名の『長いお別れ』はチャンドラーの名作の題名と同じだが、アメリカで認知症のことをそう表現することもあるというのが、この小説の最後の方で出てきた。 連作短編集で、8つの話が収録されている。内容は、認知症になった元中学校校長の東昇平をめぐって起こる出来事。その妻である曜子と三人の娘がそれぞれの人生を精一杯生きる中で、いたわり合い、ある時は感情をぶつけ合いなが…