会社の価値は、経営者が誰かによって9割がた決まるといわれる。投資する側としては、経営者の人物を見極めることがとても大切な仕事となる。 「呂覧」(呂氏春秋)という古代中国の文献がある。秦の始皇帝の時代、秦国の宰相を務めた呂不韋が、多くの学者に編纂させた百科事典的なものである。現代の百科事典とは多少、趣が異なっていて、そのなかには、人物の見極めかたとして、八観六験(はちかん りくけん)という手法が記されている。 ここで詳細を書くスペースはないので、思い切って要約すれば、人物を見極めるには、その人が発する言葉ではなく、種々の状況に応じての行動を見よ、というのが骨子である。 ちなみに、司馬遷は史記のな…