前回のつづきを続けたいと思います。 霊魂も来世も信じないパーヤーシ王は、その論拠として、沙門の言うとおりだったら、地獄に再生するはずの人間から、死後、誰も地獄について報告をしてきた者はいないということを挙げました。 それに対して仏弟子の沙門クマーラ・カッサパは、 「王族のお方よ、ここに家臣が盗賊を捕えて、『ご主人様、この盗賊にどのような罰を与えたらよいかお指図ください』といったとしよう。すると、あなたは『この者をじょうぶな縄で後ろ手に固く縛り上げ、小太鼓を打ち鳴らしてはやしながら引き回し、処刑場で首をはねよ』と命じる。すると家臣たちは『かしこまりました』といって、命じられたとおりに処刑場につれ…