ああ、コカイン! 拘置所が待っていた ペルー トゥンベス国境 陸路の国境は時と場所により、緊張を強いるものである。今問題となっているイスラエルとガザの境界などは、天国と地獄の様相を呈しているだろう。さらに国境は個人の担ぎ屋(安い商品の輸出入で小金を儲ける)、麻薬の密売人、スパイ、テロリストが出入りする場所でもある。ときには軍隊が対峙している。 紳士泥棒のおかげで日本のパスポートを持つ私はエクアドルの国境を越え、ペルー側の国境の街、トゥンベスに入った。征服者のピサロが最初に上陸した場所であった。南に続く砂漠に入る前の、オアシスのように熱帯雨林系の緑が繁茂する、とてつもなく蒸し暑い町だった。 レス…