久米郁男他『政治学』(32) 今回は、第10章 議会、第2節 日本の国会 第3項 国会についての2つのイメージ をとりあげる。 対決と裏取引 2つのイメージとは、①与野党が激しく対立する対決のイメージ、②与野党が舞台裏で本音の交渉をして妥協を図る裏取引のイメージである。 マスメディアで報道されるのは「対決のイメージ」である。野党は枝葉末節なことを取り上げ、対案を示すことをせず、あるいは口先だけの非現実的な対案を示し、反対ばかりをしている(与党の言い分)。与党は野党の質問をはぐらかし、意見を聞こうともせず、強行採決する。多数派の横暴であり、民主主義の危機である(野党の言い分)。…というのが、マス…