明治三二年から大正十年までの国有林野特別経営事業は、我が国はもとより、世界の林政史上においても特筆すべき大事業であった。この事業の完成によって、国有林経営の基礎が出来上がり、今日の国有林野事業特別会計の大きな財源となっていることは今更言うまでもない。 熊本営林局管内でも四万三千町歩の造林がこの事業によって行われており、本日は、その特別経営時代の造林事業に従事した方々に当時の思い出を語って頂いた。 (司会) 昔、植えられた山を見た感想を。 (計佐太郎さん) 苦心して植えた山がこんな立派になったかと、懐かしく思いました。それと、集材や運搬の設備を見てびっくりしました。昔はトロリー軌道まで落としおっ…