「つくられた格差」(エマニュエル・サエズ、ガブリエル・ズックマン著、光文社)は、累進課税こそ社会正義との考えで貫かれています。私もそれに異論は一切ありません。極端に貧しい者と極端に富める者もいない社会は、有史以来、人類普遍の理想だと私は信じています。 どういうわけか、ジニ係数が最も小さい、つまり、その理想に最も近い北欧諸国では、消費税が主となっています。しかし、「なぜ増税と言ったら消費税の話になっているのか」にも書いた通り、消費税は逆進性が強くなります。普通に考えれば、極端に貧しい者も極端に富める者も少なくするためには、所得の累進課税が妥当になるはずです。上記の本でも、それを何度も繰り返し主張…