今回は北海道の積丹半島の西、日本海に面した岩内町の山中にあった雷電朝日温泉を紹介します。開湯は江戸時代の1844年(弘化元年)と古く、北海道では指折りの歴史ある温泉です。1963年(昭和38年)に出版され、後に映画やテレビドラマにもなった水上勉の小説「飢餓海峡」に登場する温泉としても知られています。戦後間もない1947年(昭和22年)の同じ日に起きた青函連絡船洞爺丸の沈没事故と岩内町の大火をモチーフに描かれた推理小説で、大火を引き起こした犯人たちが事前に泊まった宿として描かれています。 温泉は日本海沿いを走る国道229号から、雷電山への登山口に向かう山道を約4キロ進んだ山中にあります。なぜこん…