個人の蔵書目録を読むのが好きで、図書館が所蔵する個人文庫の目録を集めたことがあった。多くは早川図書というその手の専門店から入手したものである。 さて、『西村賢太旧蔵資料目録』(石川近代文学館、令和6年3月)を読んでいたら、色々発見があった。藤澤淸造・西村賢太著以外の「その他作家著書」として、大正12年と13年の『新文章日記』(新潮社)、大正15年~昭和7年の『新文藝日記』(同社)があった。淸造が『根津権現裏』(日本図書出版、大正11年4月)を刊行した年から亡くなる昭和7年1月までと重なる。最初はもしや淸造の日記かと思ってしまったが、淸造自筆の原稿や書簡は「近現代作家資料」の方に分類されているの…