第124話 深夜の途中下車 「深夜特急」の第二巻、 マレー半島・シンガポール編を 途中まで読んだ僕は、宿から外に出る事にした。 まだ上級旅行者ではない僕は、よく考えるとこの街をまだよく知らない。 何度もバンコクに来ている彼女とは違い、タイ初心者の僕は、まだまだ部屋でゆったりしている場合では無いと 気付いたのである 笑 だが、久しぶりに 読書をした。良い時間だった。 「深夜特急」は やはり名作だった。 旅に出る前は、ドキドキしながら、憧れながら、自分が沢木氏と旅をしている様な、いや、沢木氏になりきって旅をしている感覚を味わっていた。 こんな感覚を感じさせてくれる程の「引力」を持っている小説は、稀…