第153話 いろはにほへとちりぬるを坂 タイ在住の日本人と別れた後、僕は仮眠をしに宿に戻ってきた。 自転車を盗まれない様に、玄関近くの、頑丈な柱に括り付け、シャワーを浴びてから、自分のベッドに潜り込んだ。 そして、3時間ほど寝て起きた僕は、だいぶスッキリしていた。 少しだけお酒は残っている気はするが、坂に着く前の平地を走っている間にでも、汗と共に完全に抜けるだろう。 そう思った僕は早速、宿から北西方面に自転車を漕ぎ出した。 大通りまで北へと10分程に走り、お堀を越え、さらに北西へと15分程へと走ると、ドイステープ寺院へと続く坂の、入り口らしきところに着いた。 ここにはなぜかサファリパークを彷彿…