理系的 作者:増田みず子 田畑書店 Amazon 『理系的』増田みず子著を読む。20年ぶりに新作の『小説』を刊行した作者。これまで単行本未収録だったエッセイを編纂したのが、この本。 はじめに引用。 「私は生命の謎解きを求めて、はじめは生物学を学びました。医科大学に勤めながら、生化学の勉強をしました。しかし勤めて7年目に、そこの上司である老教授が、鉄が腸内の粘膜から吸収されるのにタイムラグがあるという事実を発見するためだけに40年かかってしまった、と溜息をつきながらいうのを聞いて、生物学をあきらめ、小説家に転身しました。私はもともと小説を読んで人間の生命の謎にひかれたのです。何の進展もなく謎解き…