祈ること年ごとに殖え夏書遅々*空調機止めて夏書に座を正す*出の笛に弾ぜる火花や薪能*風呂敷の包む脚腰夏季講座身につきしもの何なりし夏期講座句帳手のうしろ香水過ぎゆけり香水に攻めらる朝のエレベーターダイエットのお蔭のつもり夏痩せて単身寮いま夜濯の盛りなり*旅の妻帰る日近し冷蔵庫* 夏書(げがき)は、夏安居(げあんご)の際に行う写経のこと。安居というのは、旧暦4月16日から7月15日まで僧が一室に籠り修行すること。インドで雨季の間、個々に遊行していた僧が集まって修業したことから。 三番目の句の薪能(たきぎのう)は、野外に舞台を設け、夕方から夜間にかけて篝火を焚いて演じる能。 いずれも夏の季語なので…