じわじわと迫りつつあること。それは、大混乱・大波乱・大変化の新たな大波である。 資本制生産様式(資本主義)の基本矛盾は、労働力の商品化である。資本主義の歴史的特殊性は、市場〈競争〉のメカニズムをとおして社会的総労働の比例的配分を自律的(システム的)に実現するところにある。この観点からすれば、資本主義特有の周期的恐慌現象は、資本主義の基本矛盾の爆発形態であるばかりでなく、実は、その解決形態でもある ―― だから、周期的恐慌が到来するたびに“全般的危機論”を持ち出したスターリン主義は、破産したのである。 言いかたをかえれば、「資本主義体制と自由市場の重要な特徴に、景気後退と金融危機が定期的に発生す…