4.0 不倫を題材にした小津安二郎としては異色作になっています。ウィキペディアに『池部と岸にとっては唯一出演した小津作品であり、同じようなキャストを使い続けた小津にとっては異例であった。』とあり、積極的に路線・趣向を変えようとした感のある映画でした。 1956年製作の早春は東京物語(1953)の次にあたる映画ですが、その間の3年という開きは終戦から年1本のペースで映画を撮ってきた小津安二郎にとっては長いブランクだったそうです。Early Springのwikipediaによると当時、大船調やホームドラマの人気が下落しており松竹が新機軸をもとめていたため、野田高梧と小津の脚本コンビは松竹と時代性…