こんばんは、紫栞です。今回は手塚治虫の『奇子』をご紹介。 あらすじ昭和二十四年。天下仁朗は戦争から復員し、久しぶりに四百年続く大地主の旧家・天下家に帰ってきた。天下家には仁朗が戦争に行っている五年の間に「奇子」という四歳になる妹が出来ていたが、この奇子は仁朗の母・“ゐば”が産んだ子ではなく、兄嫁の“すえ”と父・作右衛門との間の子だという。長男の市朗が天下家の遺産を相続することと引き換えに嫁を差し出すことを作右衛門に要求されてのことらしい。これらの事実を平然と話す一族の面々に仁朗は「うちは異常な家だ」と憤るが、仁朗自身は戦時下の最中でGHQの秘密工作員に成り下がっていた。そして或る日、仁朗は上か…