『現代の社会は孤立した人間の集合体に過ぎなかった。大地は自然に続いているけれども、その上に家を建てたら、忽ち切れ切れになってしまった。家の中にいる人間もまた切れ切れになってしまった。 夏目漱石『それから』(新潮社)』 「孤立した人間の集合体」という表現は、現代社会に生きる人間としたら、わかりやすいです。 夏目漱石は、今の時代を見ていたようなニュアンスも感じるのですが、当時からその様な傾向が顕著にあったのだと想像します。 江戸の時代の長屋について、熱く語っている人の話が耳に飛び込んできました。 それによると、江戸の長屋は、家族とはまた違うタイプの生活共同体で、コミュニティとして有用だったと言うの…