私は幼稚園の年少の時に、教室で小便をもらした。全員が椅子に座って机に向かい、全員が各自で静かに同じ課題に取り組んでいた時だった。その静寂を破って先生に「トイレに行きたいです」と言えなかった。我慢の限界を超え、もらした。「あ~!先生!はるのくんの席の床!!」という感じで皆の知るところになり、私は下を向いたまま固まっていた。でも救いだったのは、やいのやいのとからかわれなかったこと。多分、そうだったと思う。 先生も、急な呼び出しで駆け付けた母も、苦笑いだった。 「おしっこしたくなったら、いつでもいいから先生に言うんだよ」その後、私はいつでもきちんと先生に「トイレに行きたいです」と言える子になった。 …