国文学研究資料館の『調査研究報告』43号で翻刻された真山青果の日記(昭和5年)に折口信夫が出てきて、面白い*1。 (昭和五年三月) 二日 朝ぐもり (略)尾崎久弥君より来書、餓死云々と窮状を訴へて援助を求め来る。彼の人とは二三度面話せるだけにて何んの交際なき人(清水君の友人故知りたるなり)なれども事情を聞けば気の毒なり。何んとかならぬものかと床上いろ\/考ふ。兎に角、返事を出して来訪を求む。 (略) 午後四時尾崎君来る。いろゝゝ事実を聞く。細君がヂフテリヤにて重症なる由、重ねゝゝ不幸なり。聞きたる処にては国学院大学の処置、折口君及改造社広田君の態度甚だ冷酷のやうなれど、或は尾崎君の方にも反省す…