◆山川出版社の『詳説世界史』には、かなり辛口の評価をしてきましたが、宗教改革のページは旧課程の教科書から大幅に刷新され、充実した内容になっています。 ◆私は、「世界史の扉をあけると」でも述べたように、宗教改革期のイコノクラスム(聖像破壊運動)に注目してきました。プロテスタントによる聖像礼拝の否定は、聖像の破壊にまで進むことがありましたが、この事実を世界史の教科書は伝えてきませんでした。プロテスタントの研究者の影響力が強く、プロテスタントの暴力に触れたくなかったのでしょうか? たとえ執筆者がプロテスタントの方であったとしても、歴史的事実は直視しなければなりません。 ◆山川の新しい『詳説』は、注に…