藤原定家の筆道を説く一巻を、江戸初期の茶人小堀遠州(政一)が書写したもの。現在は東京国立博物館蔵。その内容は、平安末期から鎌倉初期の歌人藤原定家による印象的な文字造形「定家様」を書くためのマニュアルとなっている。「定家卿筆道」自体は歌人藤原定家への崇拝の中で生まれた偽書と考えられており、小堀遠州が書写した時代に作られたものとされる。 定家様とその継承 定家様のマニュアル 成立は小堀遠州周辺か 参考文献 定家様とその継承 鎌倉初期、藤原定家が書き始めた書風、独自の特色のある字形を「定家様」という。定家様の特色は、第一に、字形を構成している線の中に細い線と太い線が入り混じっていることがある。 次に…