宮沢賢治の良き理解者であった草野心平。 賢治の作品を世に広めただけでなく、賢治の世界を深く鑑賞し、温かく評価しました。 前回は、草野心平の記した「宮沢賢治覚書」のあらましを記しました。 fukinto.com 「神武以来曾つてない」 今回は、草野心平の記した「宮沢賢治覚書」のⅡの冒頭にある「神武天皇以来曾つてない」という評価についてです。少し長いですが、そのまま引用します。 昭和九年、賢治の死後二年、多分その頃であったと思う。東京のさる同人雑誌の何周年記念かの祝宴の席上で或る詩人が不思議なテーブルスピーチをやった。草野君は近頃いやに宮沢賢治をかついでいるが、例えばその童話はどこが一体いいのかね…