玄関を開けるとそこには 大学生の頃の話だ。 僕は大学の講義に出るために身支度をしていた。 下宿から地下鉄までは10分程度。 地下鉄から大学までの乗車時間も10分程度だった。 講義までは50分あるから、余裕で間に合う算段だ。 大学生協で珈琲くらいは買えるかもしれない。 僕は玄関を開けて、人1人通れるだけの細い路地を抜けた。 僕は隠れ家みたいな場所にあるそのアパートを気に入っていた。 そしてその細い路地が通りに接する場所にそれは落ちていた。 いらすとや (www.irasutoya.com) 僕は思わず後退りする。 「人が埋まっている」と思ったからだ。 しかし地面はアスファルトが敷かれていて、人が…