国際情勢を論じる際に民主国家と強権国家という二項対比を前提とした議論が盛んです。しかし私はどうも気になって仕方ありません。二項対比は是非を論じるに容易な手段ではあります。しかし、ふたつの陣営を比較する前にまず「国家」とは何か、その本質を明確にすることが重要だと思います。 わたしは民主、強権いずれの国家もその本質は「国民国家」であると思います。国民国家とは何か、わたしは次のように考えます。"ほとんど人為的にすぎない国境や不可逆な民族(フィジカルな)を物理的基礎に置きつつ、観念としての国民というフィクション(メンタルな)を精神的依拠とし強制的に同化と統合を図ることで成立する形態″ したがい民主、強…