※途中で本作のトリックに触れている箇所があります 筆者がミステリ沼に沈められたきっかけはポプラ社から出ていたアルセーヌ・ルパンシリーズの1冊『ピラミッドの秘密』という本である。エジプトのピラミッドを舞台に怪盗ルパンが大暴れ、悪い大僧官に何度もやられかけるも最後はやっつけてめでたしめでたしというゴキゲンなストーリー(©︎瀬戸川猛資)なのだが、こんなに面白い本が世の中にあるのかとびっくりしてしまった*1。そのままルパン、ホームズ、クイーン(まさにゴールデンルートだ)と読み進んでいったのだが、そんなある日に図書館で出会った国書刊行会のシリーズ「世界探偵小説全集」のせいで、本格的にクラシックミステリに…