当ブログは「おもしろい小説を選びだしてはオーバーに騒ぐ」(©︎瀬戸川猛資)というコンセプトの元に原則としてフラットな記述を心がけているが、1人だけ例外と言うべき作家がいる。今回取り上げるのはその例外、連城三紀彦の『黒真珠』である。 bookmeter.com 連城三紀彦は2013年に急逝した天才ミステリ作家である。伝説のミステリ雑誌『幻影城』からデビューし、中間小説誌を中心にミステリから恋愛小説まで独特な世界観を持った作品を発表し続けた。没後10年となるがいまだに根強いファンを持ち、伊坂幸太郎を始め現役ミステリ作家にもその信奉者は多い。 筆者もそんな連城ファンの端くれであるが、初めて手に取った…