小野徹

地方病教育推進研究会事務局です。（ブログ第116号） 前回ブログで触れた小野徹と内田常雄との関わりについての詳細です。 まず内田常雄の経歴について簡単に説明します。 1907年（明治40年）6月30日、甲府市に生まれる。東京帝国大学経済学部を卒業後、1930年（昭和5年）旧大蔵省に入省する。長年勤務した大蔵省を管財局長を最後に辞し、1952年（昭和27年）衆議院議員選挙に立候補します。その際故郷の山梨の縁者である小野徹に選挙の支援を求める。その時の様子を『日本仁医物語』第3巻から紹介します。 小野は、内田の選挙応援の申し出を伯父三木森太郎への恩返しのつもりで受けたのでした。二人の会話は、 「君…

地方病教育推進研究会事務局です。（ブログ第115号） 冷たい雨が降っています。三寒四温とはよく言ったものでここ甲府盆地は、一昨日までの春の陽気から今日は冬に逆戻りをしています。皆さんの地域ではいかがでしょうか。 小野徹は妻つねとの間に8人の子を授かっています。そのうち長男の修と次男の平和は徹の跡を継ぎ医師となっています。 前回のブログで彼の経歴のごく一部を紹介しました。その中で1949年（昭和24年）に鏡中条村（現在の山梨県南アルプス市）村長に就任しています。村の名士でもあり地域医療の活動の次は、地方行政にと考えていたのでしょうか。 当時の様子が『日本仁医物語』第3巻甲信越・北陸編の中、今川徳…

地方病教育推進研究会事務局です。（ブログ第114号） 地方病の歴史を調査研究する上で市町村誌（史）を調べることが重要になります。時代とともにその誌（史）も大きく変わっていることに気付きます。 写真は、1972年（昭和47）3月31日発行の『八田村誌』の見開きのページのものです。この版は、B サイズです。地方病を扱っているのが第4編「村の発展」の中の第3節「地方病とその対策」 です。P516からP523にわたり地域ごとの宮入貝駆除の様子やコンクリート溝渠新設状況など地区ごとの数字が詳しく載っています。 一方2003年（平成15）3月31日発行の新『八田村誌』（新は筆者呼称）は、A版になりカラーペ…

地方病教育推進研究会事務局です。（ブログ第113号） 『若草町誌』には、地方病に関する記述が19ページに及び説明されています。 他の町村誌に比べてもその文量は多く日本住血吸虫の生活史、全国の有病地、山梨県内の有病地、患者数の推移、制圧に至るまでの歴史、そして中間宿主である宮入貝撲滅に対する取り組みなど詳細に説明されています。 その中で医師であり、鏡中条村長であった小野徹については２ページほど扱っています。 旧小野医院は、医師小野徹が自ら洗心洞と呼び、 彼の洗心精神を一生を貫いている「医学を通じて人間道を強く正しく進むことだ」との言葉によく表されています。 写真は、小野徹の胸像（出典：小野徹顕彰…

地方病教育推進研究会事務局です。（ブログ第110号） ここのところの寒波は厳しく東北地方や北陸地方の積雪は、3メートルを超える地域もあると報道では伝えています。積雪の多い地方の信号機は縦型ということを旅行で知りましたが、まさに風雪がひどいと遠くから信号機が見えなくなるから縦型になったことを知り改めて感心しました。読者の皆様の地域ではいかがでしょうか。 小野徹についての記事の第2段です。今回は、『地方病とのたたかい』2003 山梨地方病撲滅協力会編からの引用です。小野徹の活動の一端を知ることができます（前半）。 若草町（現在の南アルプス市）の保健衛生の進展をたどるとき、医師としての小野徹を忘れる…

地方病教育推進研究会事務局です。（ブログ第109号） 甲府盆地は雪の予報でしたが、今は冷たい雨となっています。皆さんのお住いの地域はいかがでしょうか。 今回から山梨県南アルプス市出身の医師「小野徹」について何回かに分けて紹介したいと思います。 私は4姉妹の3番目、他の姉妹はかかりませんでしたが、私だけ保育園、小学校の時2回と3回地方病にかかってしまいました。小野徹先生に診てもらったのですが、先生は軍医でしたのでとても怖かったです。治療も辛かったことを覚えています。 3回もかかってしまったのでトラウマになり、自分が地方病患者だったことを誰にも言えませんでした。（その後）昭和町風土伝承館杉浦醫院の…