地方病

地方病教育推進研究会事務局です。（ブログ第120号） 大型連休も終え早いもので5月も半ばとなりました。「第4回地方病教育推進研究会」開催まで後12日と迫ってきました。これまで毎回参加されていた県外の研究者の中には、今回は都合悪く不参加との連絡があり残念ですが、今回新しい参加者もいます。いずれにしても当日の研究会が有意義なものになるよう準備をしっかり進めていきたいと考えています。 写真は、中富（なかとみ）町誌と三珠（みたま）町誌 旧中富町は身延町を構成する町です。2004年（平成16年）9月、旧下部町と旧身延町の3町が合併して（新）身延町が誕生しました。旧中富町は富士川に沿って山間に集落が点在し…

地方病教育推進研究会事務局です。（ブログ第119号） 大型連休に入っていますが、読者の皆様いかがお過ごしでしょうか。昨夜の雨で我が家の家庭菜園の野菜たちも生き生きしています。 さて表題にあるように「第4回地方病教育推進研究会」開催まで1ヶ月を切りました。昨年6月の開催から1年ぶりに行います。（写真は、研究会のチラシ） 今回の研究会では、講演を山梨大学院教授の宮本和子先生にお願いしました。 講演名「カンボジアでの住民主体型 タイ肝吸虫症予防への挑戦 〜山梨の地方病の歴史に学ぶ〜」 筆者が宮本先生の国際貢献活動を始めて知ったのは、2018（平成30年）2月8日付け山梨日日新聞の記事でした。 宮本教…

地方病教育推進研究会事務局です。（ブログ第118号） 写真は、小野修著『父・祖父を語る』 過日かねてからの希望だった山梨県立図書館に行ってきました。それは、上記の写真の著作『父・祖父を語る』の実物を閲覧するためです。本書は、同館と南アルプス市立図書館のみ所蔵してあり、貸出はできない書籍です(他の図書館にもあるかもしれません）。 写真のページを見ると徹の書「洗心」や明治27年、東京で共に学んだ学友達との記念写真そして昭和35年、鏡中条橋での渡り初めなど極めて貴重な写真が収められています。 目次には、10人の子達の文章や、孫やひ孫の文章そして「校医70年の老先生」との題でO・Sさんの寄稿文を初めて…

地方病教育推進研究会事務局です。（ブログ第117号） 甲府盆地の桜も満開となりましたが、ここ数日の風雨で散り始めています。 写真は山梨県立科学館から見た甲府盆地 「医は仁術である。仁とは他人を慈しみ、思いやりの心がけのことである。病に苦しむ者たちを救うすべとして医があるのだから、患者を金儲けの手立てにしようなどと怪しからぬ考えは起こすな。金が欲しかったら、医者をやめて商人（あきんど）になれ」 小野徹を経済的に支えた伯父三木森太郎の言葉である。 小野は生涯貧しい農民の患者を食い物にしてはならぬとの伯父の言葉を忘れませんでした。横浜十全医院を辞した後、郷里に戻り診療所を開業します。1899（明治3…

地方病教育推進研究会事務局です。（ブログ第114号） 地方病の歴史を調査研究する上で市町村誌（史）を調べることが重要になります。時代とともにその誌（史）も大きく変わっていることに気付きます。 写真は、1972年（昭和47）3月31日発行の『八田村誌』の見開きのページのものです。この版は、B サイズです。地方病を扱っているのが第4編「村の発展」の中の第3節「地方病とその対策」 です。P516からP523にわたり地域ごとの宮入貝駆除の様子やコンクリート溝渠新設状況など地区ごとの数字が詳しく載っています。 一方2003年（平成15）3月31日発行の新『八田村誌』（新は筆者呼称）は、A版になりカラーペ…

地方病教育推進研究会事務局です。（ブログ第113号） 『若草町誌』には、地方病に関する記述が19ページに及び説明されています。 他の町村誌に比べてもその文量は多く日本住血吸虫の生活史、全国の有病地、山梨県内の有病地、患者数の推移、制圧に至るまでの歴史、そして中間宿主である宮入貝撲滅に対する取り組みなど詳細に説明されています。 その中で医師であり、鏡中条村長であった小野徹については２ページほど扱っています。 旧小野医院は、医師小野徹が自ら洗心洞と呼び、 彼の洗心精神を一生を貫いている「医学を通じて人間道を強く正しく進むことだ」との言葉によく表されています。 写真は、小野徹の胸像（出典：小野徹顕彰…

地方病教育推進研究会事務局です。（ブログ第112号） 厳しい寒波が続く毎日です。甲府盆地も連日朝の気温が−5℃を記録しています。皆さんの地域はいかがでしょうか。 数日前友人から 「今日は、当時天野知事が山梨県で地方病（流行）終息宣言をした日だそうですね？」 とラインが届きました。友人は私が長年地方病の研究をしていることを知ってラインをくれたのだと思います。今回のブログは、改めて当時を振り返りたいと思います。 山梨県知事から宣言が出されたのは、1996（平成8年）2月19日のことです。 この宣言によって地方病対策の重要な対策の一つ日本住血吸虫の中間宿主であるミヤイリガイ殺貝の方針が大きく変わりま…