今69歳になるが、58歳のとき、私は就労移行支援所に入所した。もちろん就職することなどということは、はなから考えていなかった。障害を持っているのだけれどと役所に相談したところ、出版関係は、そのほとんどがパソコンのスキルを要求していた。いやな時代になったものだと思っていたら就労相談員の男がこういう所でパソコンを勉強したらどうかといった。それは願ってもいないことだった。私は週六日そこに通いパソコンに慣れていった。勧められた検定にも応じず、様々な資格取得にも見向きもせず、ただ、終日タイピングしていた。それに慣れてくると今まで15年ほど書き溜めていた随筆をusbに入れていった。それは40編ほどになり、…