固有の死に向かって先駆しつつ自由であることは、偶然に押し寄せてくる諸可能性へと自らを失うことから解放してくれる。その結果として、追い越し得ない(死という)可能性の前に横たわっている現実の諸可能性がはじめて本来的に理解され、また選択されるのである。 『存在と時間』264頁 高井ゆと里訳 When, by anticipation, one becomes free for one's own death, one is liberated from one's lostness in those possibilities which may accidentally thrust themse…