櫻屏風 秀吉から光秀に贈る│尾形月耕「日本花圖繪」明治廿五年 尾形月耕作『日本花図絵』は、日本を代表的する桜花にまつわる人物や歴史が描かれた、明治25年から31年にかけて制作された浮世絵の作品集である。尾形月耕は明治から大正期の浮世絵師、日本画家である。繊細で気品のある画調に魅かれ数年前に一連の作品を入手し、毎年桜の季節の頃、画に描かれた挿話やその出典を調べてブログに取り上げてきた。 ところで医学初学者の頃に受けた御指導の一つに「必ず原典、原著にあたるべし」がある。査読者やレフリーの査定がないブログ投稿においても、特に本業と異なる畑違いの記事を挙げる時に肝に銘じて拳々服膺してきた。その基本方針…