島木赤彦と斎藤茂吉の二人の歌人。赤彦が6歳年上ですが、ともに伊藤左千夫に師事する弟子であり友人でもありました。また、もちろんライバルとしてお互いにリスペクトしていたのだと思います。この二人で「アララギ」をささえた存在であったとも言えます。 記念館の展示にもありましたが、茂吉は病気のために何回か転地療養をしています。赤彦は見舞いのために度々療養地に出かけています。茂吉の歌集「つゆじも」の中に、自身が療養する長崎へ、赤彦が見舞いに来た時に詠んだ作品がありました。 ◇「つゆじも」所載 ・七月二十四日 (大正九年) 島木赤彦はるばる来りて予の病を問ふ 長崎の暑き日に君は来りたり涙しながるわがまなこより…