『精神について』の校正のあいまに、ヴィンセント・ミネリ(1903年~86年)が監督した1950年代のミュージカル映画のDVDを立て続けに3本観た。『巴里のアメリカ人』(51年、ジーン・ケリー主演)、『バンド・ワゴン』(53年、フレッド・アステア主演)、『恋の手ほどき』(58年、モーリス・シュヴァリエ主演)だ。挿入曲とダンスがしゃれているのはすぐに分かるのだが、今観ると、3本ともストーリーがものすごく安易という気がする。というか、ストーリーがなきに等しい。それでもみんな喜んでみていたのが、50年代のアメリカン・ミュージカルだったのだろうか。 1950年代にヴィンセント・ミネリが監督したミュージカ…