『ソ連兵へ差し出された娘たち』という言葉が持つ重み。それは自分の胸を強く叩く。そして自分もまた加害者なのではないかという疑念を強く抱かせる。 このドキュメンタリーは言ってみれば『告発』なのだと思う。平井氏の取材に応じた当事者の方々はあくまでも『告白』のつもりだったのかもしれないけれど、結果としてその内容は告発の色を帯びている。そしてその告発の対象には、きっと読者である自分自身も含まれている。 時代は太平洋戦争における大日本帝国の敗戦後だ。 大日本帝国は当時、満州開拓団(満蒙開拓団)として多数の国民を移住させていた。『開拓団』と言ってはいるものの、当時の日本人は原野を切り開く様な文字通りの開拓を…