うだつが上がらない公子? 列国に名が鳴り響く趙の三大天といえば、「廉頗」「藺相如」「趙奢」になり、『戦国策』でもその活躍が記されていますが、同時代に趙の黄金期を支えた公族であり、戦国の四君としても名を残している「平原君」を皆さんはご存じでしょうか。三大天最後の趙奢が立身するきっかけを作った人(こちらもやや恥ずかしい内容になりますが)でもあります。どうか楽しんでご覧ください。 さて、平原君は『史記』において平原君虞卿列伝と他の有力な公子と違って単独で伝が立てられていないという変わった扱いをされている人です。そもそも、君とは宰相クラスの王族もしくは圧倒的な功績を挙げた功臣で、自分の邑(土地)を与え…