第16回「伝説の幕開け」を視聴した。 サイコパスバーサーカー義経が主旋律となって駆け回り、北条の人々の人間らしい懊悩が安定のリズムを刻み、後白河と頼朝の陰謀めいた宿願が可聴域ぎりぎりのところで薄暗い重低音を流す。そんな感じの回だった。 ドラマの中の義経(菅田将暉)は、とにかく人を騙して裏をかく。 そして味方の心情には驚くほど疎く、その場の役に立たないとみると、容赦なく踏みにじる。 肉親や仲間への情はあるのに、それがいつか自分を守る力になるとは考えもしないらしい。だから打算なく人を使い潰して顧みない。その結果、「鵯越の逆落し」よりも勢いよく人望が消えていく。 中途半端に人たらしな頼朝よりも、裏表…