ξ 経済アナリスト・森永卓郎氏の著作を初めて知ったのは、もう20年以上前、『日本経済「暗黙」の共謀者』(講談社、2001)を読んだときだった。 有名な『年収300万円時代を生き抜く経済学』の2年前である。 デフレスパイラルの真っ只中、売上げは増えず固定費用は自然増、それゆえ給料は上がらず、早期退職やリストラという言葉を飛び交わせて人件費・諸費用をひたすら削り当期利益を確保する、いわゆる減収増益で良しとされた経営が普通だった時代に 諸外国が先行していたようにインフレターゲットを設定して大規模な金融緩和を実施すれば、すぐに景気は良くなると主張した本である。 簡単なことなのになぜ実行しないのか。 政…