「会社のトップを扱った作品」の第四弾は、幸田真音『Hello, CEO』(光文社、2007年)です。潜在的な力を持ちながらも、ごく平凡なサラリーマン生活を過ごしていた藤崎翔が、最年少ながら、ベンチャー企業の最高経営責任者(CEO)に就任。果たして、会社はどのように動いていくのでしょうか? 先に紹介した三つの作品では、大企業におけるトップの資質・条件が扱われていました。それに対して、今回はベンチャー企業におけるトップについて考えてみたいと思います。著者の言葉を借りれば、「資本金なんて、いまは1円あれば設立できるのよ。冷静な頭脳と、熱いハートとなにより一歩前に踏み出す勇気さえあれば、会社なんて誰に…