今の日本が悲劇を防ぐために抜かりなく取り組んでいるかといえば疑問である。それを痛感させられたのが、広島と長崎の原爆忌だった。 広島平和宣言は、「核による威嚇を行う為政者がいる」として、「世界中の指導者は核抑止論は破綻」している点を直視するよう訴えた。「為政者に核抑止論から脱却を促すことがますます重要」と唱えた。ウクライナを侵略するロシアのプーチン大統領による核威嚇が背景にある。 長崎平和宣言は「核保有国と核の傘の下にいる国のリーダー」に「核抑止への依存からの脱却を勇気を持って決断」するよう促した。核抑止に依存すれば「核兵器のない世界」は実現できないからという。 このような考えは根強いが、はっき…